「砂場」
日本最古の麺類店発祥の地の石碑があるのは大阪市西区新町南公園。
「ここに砂場ありき」と刻まれているという。意外な感じがするが、東京ではなく大阪にあるのである。「砂場」は江戸(東京)のそば屋ではなく大坂(大阪)なのである。
砂場でも有名な「虎ノ門砂場」の正式な屋号も「大坂屋」。大坂起源を裏付けるものに、 1757年発行の資料では当時の大坂新町は江戸の吉原、京都の島原と並んで有名な遊郭があったところで、そこに「砂場」が登場する。当時そのあたりは大阪城築城の際に資材置き場としたところで、地元の人たちが自然と「砂場」と呼んでいたようです。
具体的には「和泉屋」と「津国屋」という2店があったのだそうだが、これが「砂場」の起源との事です。
1751年刊行の『蕎麦全書』には大和屋というお店が「大坂砂場そば」として紹介されています。
『江戸名物 酒飯手引草』には砂場と名乗るそば屋が6軒掲載され、そのうち現在まで続いているのは、「糀町七丁目砂場藤吉(現・南千住砂場)」。
慶応年間にここからのれん分けして独立したのが「室町砂場」。
ここもやはり関東大震災で被災し、町名変更で「室町」を名乗っている。
ここは「天もり」=ざるそばを考案した店として有名た゜が、明治に入り西久保巴町に町名変更され、それ以降「巴町砂場」として今に至っている。
参考資料/蕎麦年代記、蕎麦の世界、蕎麦辞典より抜粋
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